いわての新鮮力 JAいわて南 青年部

 一関市では10年ほど前に、地域の担い手である各業界の青年団によって「一関青年団体交流連絡協議会」が設立された。その構成員である市役所はじめ、一関商工会議所青年部、一関青年会議所、そしてJAいわて南青年部の4団体はこれまでもグループワークやレクリエーションなどを通じ交流を深めてきたが、「地域貢献につながるきっかけを作ろう」と担当者が協議。第11回目となった2011年2月の交流会は、「C級グルメをつくろう!」と題した、非常にユニークな料理コンテスト形式となった。
 そもそもC級グルメとは、協議会が考え出したネーミング。「Cost performance(価格より高価値)」「Cafe(喫茶)」「Chance(機会)」「Cuisine(ごちそう)」「Comfortable(くつろぎ)」「Chisan-Chishou(地産地消)」「1Coin(ワンコイン)」など、たくさんの意味が「C」には込められている。コストパフォーマンスに優れ、誰でも100円でおいしく食べられるグルメを開発、あるいは再発見するのがねらいという。しかも地場産品を使うことも大前提。生産者代表ともいえるJAいわて南青年部からは、副委員長の阿部哲良さんと阿部恵二さんはじめ5人の選抜メンバーが、市内大町の会場「いわて一関みちのく博物館」に赴いた。

 コンテストではその場で調理も行う。各団体ともあらかじめメニューは決めてあるが、現場ではハプニングがおこることも想定される。果たして、それはJAいわて南青年部で起きた。
 JAいわて南のエントリーメニューはひとつ。主力作物の米を混ぜたパンケーキに、特産品として注目を浴びるかぼちゃ・南部一郎のアイスを合わせたスイーツ「プリンス」だ。「Pはパンプキン、Rは米から。生地にはひとめぼれの米粉とジャガイモ、粥状にした米も入っています」と阿部哲良さん。事務局をつとめる小野寺信介さんも「一関でとれるものをメニューに取り入れました」と言葉を添える。これら材料を混ぜ合わせてホットプレートのスイッチを入れる…が、電源が入らない! ブレーカーが落ちたのだ。会場スタッフの対応でほどなく復旧したが、ヒヤリとしたことは確か。それでもチームワークで無事、時間内に調理を終えた。

 審査員として招かれたのは市出身の新成人の3人と、新鮮館おおまちの食堂「みっこうさぎ」の6人。トップバッターの商工会議所青年部は「地域で作られ、通年食べられているものを違う形で提案した」と、凍み豆腐、はっと(すいとん)、玉こんにゃくを使った3品をプレゼン。続く市役所は3チームによる提案で、大東町ふるさとの味研究会の「ちゃっ穀もち」、曲りねぎや地場産の食肉などを使ったスープと春巻の2品、大東支所からは特産の山ぶどう果汁やりんごを使ったおやつ2品が提案された。一関青年会議所は、おにぎりと餅入りコロッケ、亀の子煎餅を使ったデザートをワンプレートで提供。最後に、JAいわて南青年部の「プリンス」のプレゼンと試食が行われた。審査の結果、1位は「ちゃっ穀もち」が選ばれ、そのわずか5点差で「プリンス」が2位に。「主婦には考えつかないアイデア」「夏祭りでC級グルメを販売しては」など高評価も続出し、新成人からは「みなさんの熱意や気持ちを感じ、一関にいることが誇らしくなった」とうれしい声もあがった。

 JAいわて南青年部ではこれまでも地域貢献に努めてきた。昨年11月にはブログも立ち上げ、活動報告を行うなど情報発信もスタート。そこには盟友を増やし、農政運動へ声を届けたいという思いもある。米を中心に肉牛や各種野菜、さらにはかぼちゃの「南部一郎」や長ネギ「やわらか美人」など個性ある特産品も多い一関地域。C級グルメという地場産品開発の試みは、地域農業への関心を引き起こす、ひとつのきっかけになるかもしれない。

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