いわての新鮮力 藤沢町 JAいわい東青年部 藤沢支部

 ツル性植物のアサガオやゴーヤなどを窓の外側に植えて、夏の日射をさえぎる「緑のカーテン」。冷房にかかる電気代を節約し、二酸化炭素の排出も抑えることのできる省エネ対策として、ここ岩手県でも取り組みが広がっている。JAいわい東では、藤沢営農センター前の花壇に今年もゴーヤが植えられた。管理しているのは青年部藤沢支部の盟友である。
 「見よう見まねで始めた去年は、最初こそあまり伸びなかったけど、3ヶ月ほどで2メートル40~50センチにはなりました」。
 そう話してくれた及川正弘さんは藤沢支部の部長であり、この取り組みの発起人だ。自家のハウスでゴーヤ苗を作り、6月1日に10人の盟友と定植した。今年の花壇にはゴーヤの他ヒマワリも植えており、さらに敷地内にある畑にはサツマイモも植え、秋には収穫祭を開いて地域の子ども達にふるまう計画もあるという。去年はお化けカボチャを栽培してJAまつりに出品し、食用ホオズキやミニトマトもふるまったとか。じつに活発な活動の根底にあるのは、「仲間の気持ちを結びつけたい」という思いである。

 JAいわい東内の青年部協議会は平成9年の合併で誕生した。だが「青年部という意識もないし誰がいるのかも知らなかった」と、及川さんは振り返る。それが変化したのは現在の6支部体制(千厩、藤沢、大東、室根、東山、川崎)になってからであり、それも平成21年に始まった「人づくり・地域づくりセミナー」が大きかった。「セミナー後に他支部の仲間と一緒に酒を酌み交わし、語り合ったことで仲間意識が生まれた」と及川さんは言う。セミナーでの学びは地域を見直すきっかけにもなり、『自分たちの身の丈にあった青年部活動をしよう』『地に足のついた活動をしよう』という共通意識も生まれ、以降はJA青年部野球大会の練習やボーリング大会、舟釣りなどで交流を深め、JAふれあいフェスタへも参加している。
 とはいえ各自が『経営者』でもある青年部、そうそう集まる時間も取れない。緑のカーテンは“きっかけ”のひとつであり、「集まって作業して終わったら一杯やる、それだけなんだ」と及川さんは照れ笑いする。だが、酒を飲みながらの気の置けない会話が絆を深め、貴重な情報交換にもなるというコミュニケーション法に、共感する人は少なくないだろう。

 JAいわい東の藤沢支部は、米と酪農、畜産などを組み合わせる複合経営が多い地域。施設野菜の生産量も多く、県内トップレベルのトマトほかミニトマト、キュウリなどの評判も高い。だが藤沢を代表する野菜といえばピーマンであり、及川さんも生産者のひとりとして日々質のよいピーマンづくりにつとめている。盟友は40人で、中にはピーマン生産者もいるが「米や野菜など他の産物を作っている人の話も参考になる」とか。生産物の違いだけではなく年齢も50代から20代と様々だが、これまでの活動の成果、藤沢支部では何でも言い合え行動も起こせるネットワークを作り上げることに成功したといえる。「生産や経営のこと、一人であれこれ考えていてもいい解決は見つからない時もある。青年部っていう存在は、自分が行き詰まらないためのツールだとも思います」。及川さんは考えている。  真夏はゴーヤの葉の緑とヒマワリの黄色が印象的だったJAいわい東藤沢営農センターの花壇。夏らしく明るい光景は、この施設を訪れる人々にも元気を与えたことだろう。
(取材日/平成23年7月11日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

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