いわての輝く女性

平成23年5月 JA岩手県女性組織協議会

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平成23年5月
JA岩手県女性組織協議会

JA岩手県女性組織協議会。左より、副会長の葛巻輝さん、会長の熊谷富民子さん、副会長の髙橋弘美さん

 男女共同参画の進展を受け、企業や団体等の重要ポストで活躍する女性が増えている。 JAでも女性理事等の数は年追うごとに増えており、現在は「全国JA女性理事等研修会」が定期的に行われてもいる。この取り組みは地方へも広がりを見せており、岩手県でも初めてのJA女性役員等研修会が行われることになった。

JA岩手県中央会からの情勢報告に耳を傾ける参加者

報告をする、JA岩手県中央会参事の畠山房郎氏

 年度末に加え春の作業へ向けた準備も始まる2月下旬、盛岡市の会場に集まったのはJA県女性協の役員に加え、県内8つのJAの理事や参与をつとめる合計17人。「全国の研修会への参加は理事・参与・監事の三役だけですが、岩手でやるなら各JAの役員にも参加してもらい、一緒に研修したほうがいいと思った」と、全国大会へも参加したJA岩手県女性協会長の熊谷富民子さんは開催の趣旨を話す。同じ女性であっても、女性部と組織役員では立場の違いが生じることもある。また男性中心の組織で活動するがゆえの悩みも女性理事にはある。忙しい時期にも関わらず多くの役員が参加したのは、女性同士、そのような認識や事実を共有したいという思いの現れだったといえるだろう。

TPP、規制制度改革…参加者もみな真剣な表情

情勢報告について質問をする葛巻輝さん(右)

 午前の研修はまず、JA岩手県中央会からの情勢報告で始まった。1月31日に「TPP等と食・農林漁業・地域経済を考える岩手県民会議」が結成されるなどTPP反対への取り組みが進展していること、そして新成長戦略を打ち出した政府が掲げる規制制度改革の動向に続き、JA経営の現況と経営健全化に向けた計画と課題が報告された。これを受けての質疑応答では「経営健全化の計画に女性部側の評価ポイントは必要ないか」「TPP反対統一行動についての説明を明確に」など活発な声が上げられた。
 とりわけ熱を帯びたのが、各JAでの女性役員の立場についての見解。今期が2期目となるという県南の理事は「男性理事からは、まず手を挙げろと指導された」と話し、別の役員は「やっぱり女性だからと言われないよう男性と対等にやらなければ」と奮闘する。その一方で「むしろ私たち自身が女性を武器にしているのでは」「自ら動くようにしないと」といった意見も。JA県女性協副会長の葛巻輝さんは「一人で頑張っても発言や要望は通らないから、女性部組織として一緒に勉強しながら支え合える体制を作っていければ」と期待を述べた。

午後の部はテーブル配置を変え意見交換会

特別講演を行った、JA岩手県中央会会長の長澤壽一氏

 午後の部は、昨年12月に行われた全国JA女性理事等研修会への参加報告から。全中顧問弁護士の御宿義氏の講義「女性を農協の戦力にする道」の概要報告に耳を傾けた。

 続いては、JA岩手県中央会会長の長澤壽一氏の特別講演「JA女性役員に期待すること」。「時代の社会情勢やわずかな変化を素直に感じ取り、組織体に必要なプランを考えだし推進することも、女性の役目のひとつではないかと思っている」。穏やかに、でもきっぱりと語りかける長澤会長は、日本海軍史上最大の戦略家の秋山真之「自ら啓する意欲のないものは学ぶといえども実行すること能わず」など、英雄の言葉や古文を引用しながら言葉を重ねる。「明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐が吹かぬものかは」「我が物と思えば軽し笠の雪」…。そして、昔から心に留めているという3つの指針「常に感性を磨く人であれ」「常に当事者意識を持つ人であれ」「常に偏りのないフェアな人であれ」を披露した。

長澤会長の話に聞き入る参加者

名句名文の引用に頷きながら聞き入る人も

ユーモアも交えた講演に笑い声も起こる

 最後は長澤会長を交えた意見交換会。「組合の中にも女性が意見を言えるようなムードを作ってほしい」とJA新いわて参与の髙橋弘美さんは言い、JAいわて中央の理事でもある熊谷会長が「組合長の配慮があればこそ女性も力を出せる」と続ける。その言葉に、テーブルを囲んだ役員は皆深く頷いている。継続こそが力なり。未来へ向けた第一歩としての研修会は、参加者全員が確かな手応えをつかんで閉会した。

意見交換会。互いの考えを披露しあう

「組合長の協力も必要」と髙橋弘美さん(左)

「今日の研修がスタート」と熊谷富民子さん(右)

来年度の開催も期待しながら研修会は終了

(取材日/平成23年2月24日、取材・撮影/フリーライター井上宏美)

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