いわての輝く女性

平成25年1月 JAいわて花巻 大迫あねっこの会

一覧へ戻る

JAいわて花巻

手前左より、多田育子さん、瀬川アツ子さん、伊藤ヒサ子さん。後ろ左より、女性部部長の菊月美智子さん、菊池フミさん

 白いご飯に色とりどりのおかず…。子どもの頃、弁当箱のふたを開けた瞬間のうれしさを覚えている人は多いだろう。花巻市大迫町で加工工房を運営する「大迫あねっこの会」のお弁当は、まさにあのわくわく感を思い出させるようなお弁当だ。「米は100パーセント大迫産、揚げ物も漬物も全部手作りがこだわりです」と会の代表、瀬川アツ子さんは胸を張る。

JAいわて花巻女性部 大迫あねっこの会代表の瀬川アツ子さん

同会のメンバーは13人。毎回3~4人で厨房に立つ

材料の下処理からすべて手作りがこだわりだ

 大迫あねっこの会は、JAいわて花巻女性部大迫支部の瀬川さんらの夢が結実した加工グループである。結成は、旧エーコープ内の調理場を女性部として借りることになった4年前のこと。「メンバーの中には食の匠や調理師免許を持っている人がいたし、なにより女性部として活動できる場所を探していた」と、瀬川さんはいきさつを説明する。建物には調理場が二つあったことから餅菓子などの加工品、そして弁当製造の認可も申請してスタートし、現在は隔週の木曜に予約制で弁当を製造。さらに毎月9のつく日に開催される大迫町の名物市「九の市」では団子やがんづき、まんじゅう類を販売している。

ふんわり出来た卵焼き。ほんのり甘いお袋の味

豆腐やヒジキなどを詰めた油揚げの巾着

色合いを見ながら協力して弁当箱に詰める

 この日はお弁当の製造日。瀬川さんと食の匠の多田育子さんら5人で、約70個の弁当を作る。メニューは大迫産ひとめぼれのご飯に唐揚げに卵焼き青菜にと、実にバラエティ豊かである。「野菜類はできるだけメンバーから仕入れ、肉や魚も基本は町内で調達します。メニューはその日の当番が決めるけど、旬のものを取り入れることと、彩りとバランスの良さに気を使います」と瀬川さん。急遽届いたピーマンを彩りに使うなど、作りながら献立が変わっていくのも手作りならではだ。月2回の販売ながらリピーターも多いのは、この毎回違う中身を楽しみにしている人が多いからだろう。「それにご飯。寒暖差があって水がきれいな大迫の米は、本当においしいんです」。瀬川さんの言葉にも力が込もる。

大窯に炊きあがったご飯。これだけでもごちそう

完成したお弁当。このボリュームでワンコイン500円

各事業所ごとに手作りの名札を付けて届けている

 10時過ぎ、早朝から始まった作業もおかずを弁当箱に詰めていく仕上げの段階に。「こう入れた方がいいか?」「なんか似たような色合いだな」「ここに青いのが入ってないよ」。話し合うというよりはおしゃべりを楽しんでいるという雰囲気だが、全員が美味しく見える色合いを意識しながら作業を進めているのがわかる。同会は、昨年開催された「平成23年度 あなたに届けるJA健康寿命100歳弁当」で全国トップの最優秀賞を受賞している。彩りのきれいなお弁当は、すなわち栄養バランスにも優れているものなのだ。「それに、みんなで楽しく作ればおいしく出来るんですよ」。食の匠の多田さんが、笑顔でそう続ける。

「あねっこ弁当です」。笑顔で受け取るお客様

大迫町支店でもあねっこ弁当は人気

工房は大迫支部の活動拠点。昨年の活動報告が

 こうして出来上がった弁当は、メンバーによってJAや役場をはじめ町内の各事業所へ届けられる。昼休みに間に合うよう配送は時間との勝負だが、行く先々で待っている人たちがみな、「あねっこ弁当」を本当に嬉しそうに受け取っている姿が印象に残った。

「あなたに届けるJA健康寿命100歳弁当」の賞状

弁当以外の加工品も多彩。がんづきは人気商品

お弁当は、希望があればご飯の大盛りも可能

 活動を始めて4年。週二回のお弁当づくりや九の市以外に、町内のイベントにも呼ばれる機会が随分と増えているという。そのことにやりがいを感じる反面、「難しさを一層感じるようになった」と瀬川さんはいう。弁当も菓子類もすべて、いいものを作って当たり前、美味しいものを出して当たり前。そういう高い要求に応えていくのが、食に携わる仕事なのだろう。
 「工房に入ると“スイッチ”が入る。あねっこの会は、やる気を与えてくれる『仕事』です」。

(取材日/平成24年11月8日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

インデックスページへ戻る