いわての輝く女性

平成25年11月 JAいわて南女性部 花泉協議会

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JAいわて南女性部 花泉協議会

赤いエプロンで活動に望むJAいわて南女性部。手前左から、佐々木信子さん、三浦チエ子さん、熊谷睦月さん、佐藤セイ子さん、後ろ中央の2人は、左から千葉ヨシ子さん、菅原登喜子さん

 「あの日出会った人はみんな暗さなんてなく、笑顔で出迎えてくれた。それで逆に、ものすごく気を張っているんだとわかったんですよ…」。JAいわて南女性部花泉協議会会長の三浦チエ子さんが語るのは、震災発生後約2週間後の2011年3月24日、女性部の役員や組合長、職員らと初めて陸前高田市に炊き出しボランティアとして訪れた時のことだ。およそ600人分のカレーを作って訪れた長部小学校と長部漁村センターは避難してきていた人で溢れ、震災以来、初めてという暖かい食べ物にたくさんの人が涙を流したという。そしてその時以来ずっと、JAいわて南ではさまざまな形での支援活動を継続してきた。

2年前の3月24日以来訪れてきた長部漁村センター

持参した花泉産りんごはお茶請けに

三浦さんらお手製の漬物。花泉では加工部も運営

 今回は花泉協議会の支部メンバー、そして女性部顧問の熊谷睦月さんらが陸前高田市の長部漁村センターを訪れた。初訪問の3月24日に続き、実は昨年暮れの12月8日にも訪れている馴染みの場所である。「去年は『元気餅』のお振る舞いをしたあと、余ったお餅を同じ敷地にある仮設住宅へも持っていった。帰り際には仮設に暮らすおばあちゃんたちが寒い中見送ってくれてね、また来るから!って言って別れました」。思いをにじませながら熊谷さんが話す。あの時から1年近く、お会いした人たちの元気な姿を願っているという。

訪問時の写真、届いたお礼状など大切な活動の記録

お土産は野菜セットに三浦さんの梅干し、熊谷さんの古代米

お土産を持って全員で仮設住宅を訪問

 10時過ぎ、センターに着いた一行は参加者を迎える準備に入った。「軽体操とお茶っこ飲み会」と題した催しは、事前に長部仮設住宅の自治会長にヒアリングをして決めたもの。ガレキ撤去や炊き出しがほぼ終わった今、より強く求められているのが「心」に寄り添った活動という。被災地への関心が薄れつつあると言われる昨今、ただ会って話してお茶を飲む、そういう交流がどれだけ嬉しく、心を癒すことだろう。そんな「場」の提供に加え、漁村センターの広間には花泉産の野菜と古代米をはじめ、梅干しや漬物、りんごなど「お茶っこ」のおやつもずらり。食べて話してお土産もという、メンバーの思いやりがたっぷりこもっている。

「お久しぶりです~!」笑顔で再会を喜びあう

お茶と漬物、お菓子でにぎやかなお話の会

ご長寿のシンボル・亀の細工を手ににっこり

 準備も整った午後1時、より多くの人に参加してもらおうとメンバーは持参した野菜セットを携えて仮設住宅を1軒1軒訪問し、野菜を手渡しながらお茶っこ飲みへと声をかけた。「こんにちわ~、JAいわて南女性部です~」。震災から2年以上経ち、ここ長部の仮設住宅でも空き部屋がいくつか出て来ている。それでも呼びかけに応えて玄関先には懐かしい顔が次々にのぞき、1時半には20人近くの人たちが漁村センターの広間に集まった。

「元気でいてくれるのが一番」心と心の通いあい

思う存分話して笑う、そんなひとときが大事

タッピングタッチのやり方をレクチャー

 ざっくばらんな会に堅苦しいプログラムはないものの、まずは熊谷さんが古代米の稲わらを使って作った亀の飾りが、佐藤ミヨノさんほか2名の方へ贈られた。みなさん共に90歳を越えており、長寿を祝ってのプレゼントに場は一気に和む。賑やかなおしゃべりの話題は、やはり震災のことや暮らしのこと。あの日押し寄せた波の黒さや、その波に家が押し上げられるさまは、今も目に焼き付いているのだ。その体験に耳を傾け、苦労をねぎらうJAいわて南女性部のメンバー。リラックスを目的とした軽体操では「タッピングタッチ」という簡単なマッサージを音楽に合わせて行った。輪になって互いの体に触れるひとときで距離感はさらに縮まり、最後は全員で「浜辺の歌」の大合唱をして故郷の海に思いをはせた。

体に触れ合う。みなさん、本当にいい笑顔

最後は女性部メンバーと参加者全員で記念撮影

「また来ますからね!」笑顔と握手を交わして終了

 帰り際、みなさんのキラキラと輝く笑顔を見送りながら、「これからも活動を続けていきます」と思いを新たにする三浦さんらJAいわて南女性部のメンバー。支援から始まった絆の深さ、ここに待っている人がいるという励みが、息の長い活動の原動力になっている。

(取材日/平成25年9月13日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

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