いわての輝く女性

平成26年4月 JAいわて花巻女性部花巻地域

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JAいわて花巻女性部花巻地域

吉野教授を囲んだ、花巻地域支部のメンバー

 長年に渡り、地域と暮らしを支えてきた農協女性部。しかし時代の変化とともに人々の意識も変わり、近年は部員不足に悩む組織が増えている。これを地域全体の課題と考えるJAいわて花巻女性部花巻地域では農閑期の2月、岩手県立大学総合政策学部の吉野英岐教授を講師に招き、「JA女性組織活動について」と題した自主企画の研修会を行った。

 きっかけは、昨年12月に行われた花巻地域リーダー研修会。同様のタイトルで開催された講演会に参加した石鳥谷支部長の菅原重子さんら役員が、ぜひ石鳥谷支部のメンバーにもこの話を聞いて欲しいと企画した。「部員の減少はここ石鳥谷支部でも深刻。今こそ組織を作りかえ、見直すためにはとてもいい内容だと思ったんです」。そんな菅原支部長たちの熱意により、花巻地域での第2弾研修会として実施されることになったという。

研修会に先立ち、女性組織綱領を唱和

「問題意識を持って行動を」と葛巻輝女性部長

岩手県立大学総合政策学部の吉野英岐教授

 石鳥谷・新堀・八重畑・八幡の4支部を中心に約40名が参加した研修会。開会に先立ちJAいわて花巻女性部長の葛巻輝さんは、1月20、21日に東京で開催されたJA全国女性大会の見聞を紹介、「待っているだけでは環境は変わらない。他の組織にも働きかけてJAをベースにした生活活動が出来るようになっていけば」と今回の取り組みに期待を寄せた。

 講師をつとめた県立大の吉野教授は社会学の専門家で、地域社会学や農村生活論、ジェンダー(社会的・文化的な性別)から見た生活分析などを専攻とする。岩手県農業農村指導士選考委員会委員をはじめ岩手の農業とも関わりが深く、地域課題にも精通している。

さまざまな事例を交えながら組織活動を解説

わかりやすい説明に引き込まれていく参加者

4支部以外からの参加者も

 プロジェクターを用いての講演は、まずは女性組織の現状からスタート。家事の効率化、誰もが銀行口座と携帯電話と車を持てるなど時代は大きく変化していること、その中で会員の減少はここ数年特に顕著になってきていると吉野教授は説明、「農協女性部はもちろん生活改善グループや漁協女性部でも同様の現象が起きている」と話す。どうやったら減少をくい止められるのか、復活のキーワードとして吉野教授が注目したのがNHKの朝ドラ。「長く同じ活動をしてきて一度はうまくいかなくなったが、最近盛り返してきたのがこのジャンル」という。ターゲットは、もちろん昨年大ヒットした「あまちゃん」だ。もっとも身近なテーマに、会場の参加者もいっそうの興味を持って吉野教授の話に耳を傾ける。

組織活動と朝ドラに共通点見出す論点に感心

ユーモアも交えた講演に会場から笑い声も

組織活動の新ツール?スマホやタブレット

 従来の朝ドラにはなかった作りが話題になった「あまちゃん」。特徴のひとつに、吉野教授は「成長しない主人公」の存在をあげる。「成長しなければダメという社会風潮に反し、『あまちゃん』にはうまくいかなくてもいいし、時間が周囲を変えていくというメッセージが込められている。ヒーローやヒロインではなく、一人ひとりが地域を変える存在になりうる」と説く。さらにドラマの特徴は、本物の衣食住へのこだわりや女性が力を発揮する地域社会の描き方。「原点回帰とこれまでのやり方に固執しないしなやかさが大事」と吉野教授の話は続いた。

およそ1時間の講演が終了。拍手で感謝を伝える

お茶請けは花巻産はと麦を使用したお茶ときりせんしょ

研修会の実施に取り組んだ石鳥谷支部長の菅原重子さん

 これを組織活動にどう生かせばいいか。吉野教授は原点回帰の一案として、食べ物とコミュニケーションのある会議や、料理や芸能などの「本物」を取り入れた活動の実施を提案。さらに脱常識として「いかにJA活動のいい部分を外に発信していくか、そのやり方を工夫すべき」とし、スマートフォンやタブレット端末の活用をすすめた。

 今までにない視点から組織の課題を見つめる機会となった今回の研修会。パーフェクトでなくても出来ることから始めればいい。そんな発見を得ることができた一日となった。

(取材日/平成26年2月14日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

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