平成27年12月 JAいわて中央 盛岡地域女性部
岩手県央の1市2町を管内とする JAいわて中央。北上川流域の恵まれた環境を活かし多様な農業生産が行われており、「太田米」「太田りんご」などの特産品を擁する県都盛岡市もそのひとつである。今年の稲刈りも間近に控えた9月初旬、盛岡市中太田の太田地区活動センターにて、盛岡地域女性部による「女性のつどい」が開かれた。
秋晴れの爽やかな空が広がったこの日、会場に集まったのは約80名の女性部員。「農作業を休んで集まってもらいありがとうございます。楽しい女性のつどいにしていきたいと思います」と盛岡地域女性部部長の浅沼たえ子さんが挨拶をし、盛岡地域営農センター所長の横澤勤さんからはいち早く、今秋の農作物価格についての報告も。米価はJA概算金が県内全域で前年を上回り3年ぶりの増額となったこと、盆以降の天候不順でネギやきゅうりなどの価格が上がっていることなどが紹介され、参加者も興味深く聞き入っていた。9月9日に発生し、茨城県や宮城県などに甚大な被害を与えた関東・東北豪雨からまだ日も浅いこの日、野菜価格の高騰はすなわち被災地の被害がいかに大きいかを示している。「(宮城の)古川もネギの産地。災害は人ごとじゃないのよ」。メンバーからもそんな声が聞かれ、会場に設置された募金箱には多くの義援金が入れられていた。
挨拶のあとはエーコープ商品についての研修会が行われ、昼食までの時間は愛用品やバザー、盛岡地域女性部恒例の「風呂敷市」が行われた。風呂敷市は自分たちが作ったものを販売するというもので、会場のテーブルには野菜はもちろん着物をリメイクした洋服や布小物、手づくりのパンなどがずらり。「これ(風呂敷市)を楽しみに来る人も多い。堅苦しくなくみんなが楽しめる雰囲気なんですよ」と、女性部部長の浅沼さんがいう。太田、厨川、本宮、盛岡東の4支部合わせ約300名の部員を数える盛岡地域女性部、盛岡市農協時代には市域農家の全戸加入で運営されていたという。「全員参加だから女性部員以外の人とも交流があった。そんな『結っこの精神』を生かしながら新しいものを取り入れていきたい」。都市開発の影響や高齢化など、都市型農業ならではの課題もある盛岡地域。各支部独自の行事も積極的に行いながら、女性のチームワークづくりや情報交換に取り組んでいる。
午後は身体を存分に動かすプログラム。家の光講師の佐藤淳子先生による健康体操の時間である。「笑いは身体の免疫力も上げるのよ、今日はお口もいっぱい動かしてくださいね」と淳子先生、簡単にできる健康運動を軽妙なトークで教えてくれる。舌を動かす体操、ロコモ防止の片足立ち…「出来ない時は笑ってごまかすのよ!」に、会場は大爆笑。ハンカチを使った全員体操は、会場いっぱいに歓声が響いていた。「面白くて足が痛いのも忘れたよ」「こういう機会に出てきて笑うんだ」と話す参加メンバー。思う存分動いて笑い、仲間との交流も楽しむ1日となった。
(取材日/平成27年9月12日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)