いわての輝く女性

平成29年4月 JAいわて平泉女性部 川崎中央支部

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JAいわて平泉女性部 川崎中央支部

今野典子支部長(写真手前左より2人目)と川崎中央支部のメンバー

 実りの季節、各地のJAで盛大に開かれる「JAまつり」。JAいわて平泉でも9月から11月上旬まで各支部で順次にぎやかに開催されているが、ここ川崎中央支部の女性部メンバーにとっての“準備”は、JAまつりが開かれる半年も前の4月から始まっていた。

 「きっかけは、女性部恒例の大鍋に入れる野菜を自分たちの手で作りたいという思いからでした」と川崎中央支部長の今野典子さんが振り返る。

 今野さんがいう「大鍋」とは、JAまつりで川崎中央支部の女性部が無料でふるまう豚汁のこと。500人分もの汁物を作ることができる巨大な鍋に豚肉と野菜をたっぷり入れて煮込む豚汁は、毎年テント前に行列が出来るほどの人気なのである。当然、ネギににんじん、大根にゴボウと野菜の種類と量もかなり多い。これらを自分たちの手で作ることは出来ないか…一昨年に開催した料理講習会で、女性部メンバーから出たそのひと言から、一関市の巻畑地区にある休耕地を借りて、女性部の参加希望者が共同で農作物を育てる「畑の講習会」が始まった。

 「メンバーの中には肥料設計や畝の立て方などの基礎的な事がわからずに自己流で農業をやっていたり、家庭菜園をしてみたいけどやり方がわからないという声も多かったんです。そこで専門家を講師に迎えて、整地からは種、収穫までを実地で行う講習会を始めました。畑は、3年ほど前まで地域の子ども会で使っていたところを無償で貸していただけることになりました」。

4月からスタートした「畑の講習会」

4月にはジャガイモの植え付けを行った

 今野さんら女性部からの参加者募集の呼びかけに集まったのは14人。4月初旬に開校した講習会では、およそ80平方メートルほどの畑にネギ、にんじん、大根、ゴボウ、そしてジャガイモなどを作付けする栽培計画を立て、5月に種まきと苗の植え付けを行った。7月下旬には一足先に植えていたジャガイモの収穫を、川崎地区のあぐりきっずの親子10組ほどが参加して実施。掘り上げたばかりのジャガイモは、ジャガバターに調理して参加者全員で美味しく食べたという。さらに9月には、畑の一画に植えていた枝豆も子どもたちの収穫体験に利用。「畑づくりがきっかけで食育活動にも広がった」と、今野さんも嬉しそうである。

植え付け、土寄せと手間ひまかけたネギ

作業は2週間に1度、
出来る人が参加して行った

 さて、そんな取り組みで始まった今年度の大鍋ふるまい。11時半からの無料提供を控えてJAいわて平泉川崎支店の一画にある調理場では、早朝から11人の女性部メンバーが下処理にいそしんでいる。ネギににんじんに加え、今年の豚汁には初めてジャガイモを使う。すべて女性部の畑で育てたものだ。「いやあ色きれいだねー」「すんごい美味しそう!」「みんな畑の野菜だよねえ」。メンバーの思いもひとしおだ。

豚汁には欠かせないにんじんも
上々の出来映え

豊作のじゃがいも。
豚汁に入れれば甘みが増す

川崎支店敷地内にある調理場で調理に励む

ゴボウも自家製。
ていねいにささがきにする

 現在、川崎中央支部の女性部員は約150人。部員減少をくい止めるためにも非農家の個人会員を増やしていくという方針のもと、畑の講習会には川崎地域に住む個人会員が半数近く参加している。「個人会員の講習会への参加率は高いし、農業と食への関心が高い人が多いと思う」と今野さん。もちろんそれも、受け入れる側の女性部員のチームワークがあってこそ。「みんな熱心だしレスポンスも早い。小規模な組織ですがいろいろなことが出来る今が、一番いい体制だと思っています」。今野さんが誇らしげに話してくれた。

 11時半に始まった豚汁おふるまいは、今年も多くの人が行列を作った。「どうぞー食べらいん!」「ジャガイモも入れたから味っこいいよお!」「ネギもいっぱい入っているよ!」。元気なかけ声に、盛りつけられた豚汁が次々とテーブルからなくなっていく。13時には440杯の豚汁が出て、おふるまいは終了となった。

女性部の豚汁はしょうゆベース。
いい香りが広がる

女性部の畑で育った野菜が
たっぷり入った豚汁

JAまつりに訪れたお客さんが
次々豚汁に手を伸ばす

テントの横には「畑の講習会」の活動を
紹介するパネルも

豚汁お振る舞いの終了後は踊りを披露。
パワフルだ

(取材日/平成28年9月3日、取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

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