いわての輝く女性

平成29年5月 JAいわて花巻女性部
花巻地域支部宮野目支部「3Rグループ」

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JAいわて花巻女性部
花巻地域支部宮野目支部「3Rグループ」

高橋美紀子さん(手前左)と葛巻輝さん(手前左より2人目)と、3Rグループのメンバー

 JAいわて花巻宮野目支店の一室。大きな会議用テーブルに無造作に置かれた衣類の山を前に、女性部のメンバーがあれこれと話している。
「このワイシャツはさ、袖と脇にマチを入れれば割烹着になるんじゃない?」
「ちょっと長くしたい時は見頃を切って布を入れてもいいかな」
「エプロンは胸当てを切ってカフェエプロンにして、残った胸当てはポケットにしたら」
「ネクタイや帯の芯は丈夫だから、エプロンの紐に使ってもいいね」

家庭から持ち寄ったり
知人からもらった衣類を前に相談

メンバーの中には縫製工場勤め
経験者もあり、知恵も技も豊富

 着古したワイシャツも、サイズの合わなくなったブラウスも大事な素材、さまざまなアイデアを持ち寄って「作品」に生まれ変わらせるメンバーは、ここ宮野目支部を中心に結成された「3Rグループ」だ。その名の通り衣類の「3R」、リデュース(減らす)・リユース(再利用)・リサイクル(再生利用)に取り組んでおり、活動歴は花巻農協時代から数えて40年近く。今や支部外からの参加者も多い、JAいわて花巻女性部の人気活動グループなのである。

それぞれが所有する型紙も
みんなで使いあう

縫い方や留め方等、
工夫やアイデアを披露しあう

リサイクル店で購入した
ロックミシンは大事な道具

男性用夏ズボンを再利用して作った
カフェエプロン

 そもそもは冬場の楽しみとして、自分たちの作業着作りから始まったという活動。「スタート時は10人程度で、リフォームグループという名前で月1回程度リフォームの専門家から指導を受けていました」と、創立メンバーでもあるJAいわて花巻理事の葛巻輝さんはいう。その後、環境意識の高まりの中で「3R」が注目されるとともに名称も改め、女性部活動としてますます活発に。平成22年には作りためた作品の展示会を市内ショッピングモールで開催、「作品が欲しい」という声も多く、以降はレディースセミナーや女性のつどいでミニ販売会などを行ってきた。また東日本大震災では支援ボランティアとして釜石市や大槌町の仮設住宅を訪問、材料持参でひな人形や布ぞうり作りなどを教えたことも。そんな多彩な活動の中で、メンバーの胸に芽生えていったのが「販売先の確保」だったと、グループ代表をつとめている高橋美紀子さんはいう。

「どこか売る場所があればいいねという声は、実は10年ほど前からありました。でもJA施設での販売も、ましてや自分たちで施設を建てるのも難しい。そんな時、マルカンデパートの1階で販売イベントをすることになったんです」 。

 マルカンデパートは花巻の老舗デパート。老朽化のため昨年閉店したが、今年2月、市民やファンの要望に応えて再開を果たしたのである。リニューアルした1階にはカフェや雑貨店などのほかレンタルスペースがあり、グループでは3月から毎月1回、第2日曜日に販売会を行うことになった。売り場の担当者からは太鼓判を押されたが、初めての一般向け販売会、緊張しないわけがない。「自分たちの作るものがお客さんの目にどう映るのか」「値段のつけかたもまだよく分からないしね」「商品数もある程度必要になるし」口々に心配事を話すメンバーだが、一方ではグループのこれまでの活動に対する自信もあると葛巻さん。

「和服などの高価なものを使うのではなく、Tシャツを布ぞうりに生まれ変わらせるリフォームが私たちの思いとこだわり。そんなグループのPRも含め、作品を見た人が『私も作ってみようかな』という気持ちになれば嬉しいんです」。

愛らしい雛人形には
和柄の衣装を着せて

マルカンデパートでの販売会には
より抜きの作品を並べる

リフォーム好きなら思わず
足を留めるラインナップ

接客の基本は会話。
衣類リフォームの技には驚くばかり

 そうして迎えたマルカンデパートでの販売会、グループのブースには洋服から布小物まで作品がずらり。その品数と彩りに足を止める人は多く、メンバーも接客に忙しい。コートを試着してみる人、「こんなカバンが欲しかった」と買い求める人、そしてメンバーの説明に聞き入る人。制作者自身が作品について教えてくれるのは、客にとっては一番のセールスポイントになるのだ。

3Rグループの代表的型紙で
作られるフード付コート

デニムのヒップ部分を使って
お洒落なリュックサックに

会長の高橋美紀子さんと、
副会長の細川澄子さん(左)

 滑り出しも上々な3Rグループの販売会。それでも高橋さんらメンバーの基本は「楽しんで作る」ことに尽きるのだという。湯本支部から通う藤根悦子さんはこう強調する。
「一人で作るのとは全然違う仕上がりになるのが、グループでのリフォームの面白いところ。活動場所に行けば誰かに出会えるし、色々な工夫やアイデアも聞き出せます。作るという目的があるからこそ、得られるものがあります」。

 6月以降もマルカンデパートでの販売は行われるが、自分たちのペースで楽しみながらリフォームを続けて行くことは変わらないと高橋さん。「みんなで、続けていこうと話しています」と笑顔で締めくくった。

(取材日/平成29年4月8日、4月16日 取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

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