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平成22年3月 大槌町立吉里吉里小学校

海のまちの魅力いっぱい、鮭の日給食

甘ずっぱいあんかけは大好評。
「こういうの、好き!」

冬場でもこれだけの大槌産農産物が揃った

 鮭は岩手県の海の幸を代表する魚のひとつ。最漁期の晩秋から冬にかけ、三陸沿岸の港にはたっぷりと脂がのった鮭が水揚げされる。県内の小中学校では11月の「鮭の日」に合わせて旬の鮭を取り入れた「鮭の日給食」が毎年実施されているが、調理法や組み合わせる食材は地域によってさまざま。今回は大槌町学校給食センターを訪問、海のまちの鮭の日給食を体験した。

冷凍保管で通年使える鮭フィレ。今回は大槌産

給食は小中学校合わせ約1450食。ていねいな調理

今回は揚げ物。魚中心のメニューで食べ飽きない工夫

 じつは大槌町と鮭の関わりは深い。新巻鮭は江戸時代に大槌城主が考案したと伝えられ、鮭の一本釣りやつかみどりなどは大槌の冬の人気行事になっている。もちろん家庭でもよく食べられており、大槌の子どもたちにとっても馴染み深い食材だ。「だからこそ焼き鮭など基本料理を中心に、新しい味を知ってもらえれば」と話すのが学校栄養職員の伊東有加さん。さまざまな調理法で、鮭はもちろん三陸の豊富な海の恵みを子どもたちに食べて欲しいと工夫を凝らしている。

お客さまと一緒の給食にはちょっと緊張?

鮭についてもじっくりと勉強したよ

白菜たっぷりのみそ汁も残さず食べました

 この日の献立は、ご飯、白菜のみそ汁、鮭の甘酢あんかけ、昆布の煮付け、りんご。
 カリッと香ばしく揚がった鮭に合わせる副菜や汁物には、大槌の食材がたっぷり。「この献立には地場産物が使えるかどうかを考える」と話す伊東さん、野菜類は釜石・大槌地域農産物等直売所グループと相談して旬のものを積極的に取り入れる。すき昆布も大槌の特産で、煮物は懐かしい郷土料理のひとつ。手間はかかるが、昔ながらの家庭の味も食べさせたいという伊東さんの思いには13人の調理員さんがしっかり応えてくれるとか。このチームワークも、美味しさの理由だ。

大槌漁協の孵化場長を務める黒沢勉さんは鮭博士!

手間ひまかかる調理も「お任せ!」の調理士さんたち

今回は揚げ物。魚中心のメニューで食べ飽きない工夫

 吉里吉里小学校で行われた「鮭の日給食会」には、加藤宏暉大槌町長をはじめたくさんの来賓が招かれ、6年生と一緒に給食を食べた。いつもと違う雰囲気にちょっぴり緊張気味のみんなも、大槌町漁業協同組合の黒沢勉さんが持ってきた立派な鮭には大歓声。「鮭の卵は一匹からおよそ2500粒とれる」「鮭はタラやカレイと同じ白身の魚」「大槌川に遡上する鮭は特に鼻が曲がっている」など黒沢さんが教えてくれる鮭についての話には、あちこちから「へえーっ!」「知らなかった」の声が飛び交うほど。ふだん食べ慣れた鮭について、じっくり知識を深めた給食タイムになった。

上野芳江さん。「不揃いだけど
新鮮で美味しい野菜を出してます」

3回の土寄せでじっくり育てた自慢の長ネギ

手前の苗はキャベツ。
ハウスと露地を切り替えながら野菜を作る

給食納品の取りまとめを行う
事務局の阿部敬一さんと一緒に

 釜石・大槌地域農産物等直売所グループの事務局を務める阿部敬一さんの案内で、大槌地区の上野芳江さん宅を訪れた。キュウリやなばな、キャベツや花き類などさまざまな作物を作っている上野さんの畑では、給食にも登場した長ネギが収穫シーズン。大槌は「市日」が多く、「昔は女性たちがリヤカーで小売りに行く姿が見られた」と上野さんは懐かしむ。給食への納品が始まったのは6年前で、阿部さんは「今じゃ『ジャガイモといえば上野さん』なんですよ」と頼もしげ。かくいう阿部さん自身、休耕田を利用したそば栽培、中学校での講演会などさまざまな食農活動を行っており、「中学生の中には農業や酪農の仕事に興味を持つ子もいるようです」と微笑む。
 海の幸、里の恵み。大槌の子どもたちは地域の魅力について給食を通してしっかり学んでいる。

家庭でも作ってみよう!

今回の材料(約4人分)
【鮭の甘酢あんかけ】
  • 鮭(切り身)4枚
  • 酒8グラム
  • しょうゆ12グラム
  • おろしショウガ2グラム
  • でんぷん20グラム
  • 甘酢(トマトケチャップ30グラム、食酢6.5グラム、上白糖10グラム)
【昆布の煮付け】
  • すき昆布6グラム
  • ニンジン20グラム
  • さつま揚げ12グラム
  • つきこんにゃく25グラム
  • 大豆6グラム
  • 調味料(三温糖2.5グラム、しょうゆ10グラム、酒2グラム、みりん2グラム)
  • だし汁60グラム
【作り方】
鮭の甘酢あんかけ
  1. 鮭に、分量の酒としょうゆ、おろしショウガで下味をつけておく。
  2. ①の鮭にでんぷんをまぶし、油でカラリと揚げる。
  3. 甘酢の材料を合わせて加熱し、とろみがついたら揚げた鮭に絡めて完成。
昆布の煮付け
  1. すき昆布はよく洗い、水で戻しておく。
  2. 大豆はゆで、つきこんにゃくには熱湯をかける。
  3. ニンジンは千切り、さつま揚げは食べやすい大きさに切る。
  4. ②と③の材料を炒め、軽く火が通ったらだし汁を入れて煮込む。
  5. 全体に火が通ったらすき昆布を入れ、調味料で味を整えて完成。

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