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平成22年10月 宮古市立千徳小学校

魚介も野菜も!丸ごと宮古の料理教室

重茂のウニ、花輪地区の野菜が勢揃い

子どもたちに話す、宮古市食改協会長の村木トシ子さん

地域の食のベテラン。宮古市食改協のみなさん

 三角巾とエプロンをつけ、調理実習教室のテーブルに座った千徳小学校6年2組の子どもたち。いつもの実習とちょっと雰囲気が違うのは、テーブルに並んだ食材がとても豪華なことと、栄養教諭の伊藤百合子先生のほかに宮古市食生活改善推進員協議会会長の村木トシ子さんほかメンバー10人が来ているからだ。この日行われた「元気なみやこっ子食育教室」は、宮古市で4年前から始まった事業で、食生活改善推進員が市内の小中学校を訪れて、朝食に関する話をしたのち宮古の食材を使った料理を一緒に作るもの。千徳小学校では6年生の合計82人が3回に分けて体験、この日の2組で最後となった。
 「地域で活躍しているみなさんから地域の食べ物について教えていただきます」。伊藤先生の紹介に続いて教壇に立ったのは会長の村木さん。「私たち食改協(食生活改善推進員協議会)は栄養の専門家ではないけど、長年の生活の知恵で何をどう食べればいいか知っています。これからどんどん大きくなるみんなには、食を知るのは一番大事ですよ」。活動のことや食について、しっかりと子どもたちに話しかけた。続いて、食材のひとつピーマンを作っている上野千枝子さんが栽培の工夫や苦労を紹介、「有機堆肥をいっぱい入れた柔らかいピーマンです」と話した。

副会長の小本英子さんの手さばきに「すごい!」と興味津々

手を切らないように、慎重ににんじんを刻みます

「先生、これでいい?」油炒めもいい出来具合

 この日の献立は、うにごはん、三平汁、ピーマンとわかめの油いため、バナナのヨーグルト和え。
 教室で作るのは、食改協会員からの地場産物活用アイデアを元に作られたレシピ集からの料理だが、それにしても今回の食材はすごい。三平汁に入るマスはまるごと一匹、ごはん用のウニは殻付きと焼きウニの2種類が用意された。野菜と米は学校のある花輪地区から提供されたもので、これで地産地消率は100パーセント近い内容だろう。学区の中に農業地帯がある千徳小では自校給食の頃から地域の農産物を利用しており、伊藤先生は「日常食のたいせつさと、ご飯を食べる日本の伝統を伝えていきたい」と話す。子どもたちも、ランチキーパーズ活動や「選んで食べる給食の日」「おにぎり給食」など通し、地域に根ざした学校給食を体験してきた。
 そんな子供たちも、まるごとのマスや殻付きウニを使った昼食作りは滅多にない体験。マスをさばく会員の小本英子さんの手際の良さに「すっげー!」と感心し、ウニのとげに触って「痛っ!」とおどける子もいる。しかし野菜を切るのは慎重に、油炒めのフライパンさばきや味付けも、食改協のメンバーの指導でていねいに進められていく。「活動が始まって4年、『うちでも作ってみた』『切り方も覚えられて楽しかった』という感想が励みです。ここでの経験が家庭にも伝えられることが私たちの願いです」。調理を見守りながら、会長の村木さんが思いを語ってくれた。そうして調理開始からおよそ1時間、お待ちかねのランチタイム。塩味であっさりした三平汁に、ごま油が利いたピーマンとわかめの油炒めも大好評。オレンジ色のうにごはんの鍋にはおかわりの行列も出来るほど。「宮古の食材をもっと食べたい」など、食後には大満足の感想が子どもたちから寄せられた。

みんなで出来立てのお昼ごはんを「いただきます!」

塩味の三平汁はマスの旨味がいっぱい!

「おにぎり給食」などでみんなお米が大好き

野菜も魚もパクパク。自分で作ると美味しいね!

やっぱり大人気のうにごはん。「私もおかわり!」

たっぷり入ったうにでオレンジ色のごはん

 老木地区でピーマンを作っている上野さんは、昨年まで25年以上に渡り食改協で活躍してきた方。「昔は宮古でもサケの丸ごと1本を見たことのない子や野菜嫌いの子も多かったけど、食改協の積極的な働きかけで食べるようになってきました」と、これまでの成果を振り返る。ピーマン栽培は10年ほどになるが、真冬に種を撒き苗づくりを行って4月にハウスに定植、そして降霜前の11月中旬までと仕事はほぼ1年がかり。土づくりはもちろん肥料切れをおこさぬよう気を配り、暑さややませにも気をつけて育てている。丹誠込めたピーマンは産直でも人気だが「いつかは子どもたちに植え付けから収穫まで体験してほしい」と、上野さんは願っている。

「赤ちゃんを育てるように丁寧にピーマンを作っています」と上野千枝子さん

えぐみの少ない品種を選んで栽培している

「献立を家庭でも生かしてほしい」と栄養教諭の伊藤百合子先生

 今年8月から市の全域が給食センター方式となった宮古市だが、今回の食改協をはじめ産直活動などを通じ、これからも地域の産物のよさが子どもたちに伝えられていくことだろう。

(取材日/7月9日 取材・撮影/フリーライター 井上宏美)

家庭でも作ってみよう!

※レシピ…宮古市食育学習用教材「めざせ!元気なみやこっ子」より

今回の材料(約4人分)
【うにごはん】
  • 焼きうに80グラム
  • 米3合
  • 水540cc
  • 調味料(しょうゆ大さじ2、酒小さじ1、塩小さじ1/2)
【作り方】
うにごはん
  1. 米は洗ってザルに上げておく。
  2. 1の米を炊飯器の内がまに入れ、調味料を入れて水を加える。
  3. 焼きうにはほぐして2に入れて炊く。
  4. ご飯が炊きあがったら十分に蒸らし、ご飯とうにを混ぜ合わせて完成。
  5. 焼きうには生うにとひと味違い、焼いたことで独特の風味が増しています。また焼きうには冷凍保存が可能です。うにごはんは、節句やおもてなしのときに料理されます。

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