「まず仲間づくりからはじめよう。そんな感じで始まりました」。

「山菜ざんまい」の材料はすべて沢内で採れたもの
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今日は4人で加工作業。テキパキと作業をこなす
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工房は佐々木さんの家の小屋を改造したもの
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工房の壁に飾られた様々なコンクールの表彰状 |
みんなでお茶を囲んで夢を語り合う場―だから「ちゃいむ(茶・居・夢)」。沢内村の「工房 ちゃい夢の会」は、代表の佐々木美代子さんほか気心の知れた合計5人の仲間が集まって平成8年に結成されたグループ。当初はガーデニングはじめ古布のパッチワークなどの手工芸品を作っていたが、平成13年からは地元の山菜や野菜を使った加工食品づくりを中心に取り組んでいる。

春の香りが生きる「ばっけみそ」と山里の滋味たっぷりの「山菜ざんまい」
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イベントなどで販売される餅菓子も美味しいと評判 |
それぞれの家庭の味として昔から作られていた「ばっけ(ふきのとう)みそ」は、雑誌の取材を受けたことをきっかけに商品化。わざわざ深山のふきのとうを使うのは「こっちの方が大きくて味もまろやかだから」と佐々木さん。大豆も自家製の手作り味噌と合わせてしっとりと練り上げ、ひとつひとつ瓶詰めにする。苦みの少ない葉の部分だけを使うので、1キログラムものふきのとうから出来るのはわずか10個ほど。しかも保存料などを使っていないので、地元の産直ですら7月くらいまでしか手に入らない“限定品”だ。

山菜の味を消す肉や油揚げなどは使わない |

具の切り方、出汁の取り方にもこだわる |
もうひとつの人気商品「山菜ざんまい」は、姫竹、わらび、ぜんまい、みずのこぶなどたっぷりの具材を使った炊き込みご飯の素。「市販品は使いたくない」と鰹と昆布で出汁をとり、本醸造醤油など調味料にもこだわる。素材の旨味をいかしたあっさり味はまさに「本物」の美味しさ。子供たちもこれが大好物で「本物の味がわかるんですね」と佐々木さんらも喜んでいる。

「山菜ざんまい」の炊き込みご飯。商品はふっくら仕上がるように小袋の餅米付き
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脱気パック機械を使用。素材の美味しさが損なわれないという |
メンバーは地元で暮らす人からUターン組、あるいは町外から移り住んだ人など個性的な顔ぶれ。「そんなみんなが集まるとすごい力が出るんです」と佐々木さん。食品づくりも一生懸命、そして「遊ぶ中からアイデアが出てくる」と積極的に外に出かけていく。

炊き込みご飯、浅漬けなど沢内の食材ばかり
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今日は児玉さん(左から2人目)のお孫さんも一緒に昼食を |
作業がひと段落したところでお茶を飲みながらひと休み。これからは新しい商品づくりにも取り組みたいし将来はみんなでヨーロッパ旅行もしたいと夢を語り合う。「でもあんまり腰が曲がらないうちに(ヨーロッパには)行きたいねえ」の一言に、メンバーの明るい笑い声が重なった。

黄色い矢羽模様の着物はメンバーの手作り
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平成14年度には県のふるさと食品コンクールで優秀賞を受賞 |
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